<両生類と爬虫類でゴメンナサイ>
<上野動物園 両生爬虫類館>

 日本で一番有名な動物園・・・・「上野動物園」。遠足や修学旅行で一度は訪れたことがある方が多いと思います。 日本の動物園の手本であり,常に日本の動物園のあり方を模索し実践してきたリーダー的存在の動物園である。
 平成11年7月に従来あった,水族館を廃止し,両生類と爬虫類の展示を目的とした本館が開館した。
 JR上野駅・公園口から徒歩5分,緑豊かな上野公園の中を歩いていくと正面に上野動物園表門が現れる。
 上野動物園といえばやっぱりパンダ!ちょと見てから,目的の両生爬虫類館に向かう。目指すは,西園の端っこ(東山のメダカ館といいなんで正面玄関から一番遠いんだろう)。東園と西園を結ぶモノレ−ルで運動不足の私は休憩。不忍池のほとりに両生爬虫類館が現れる。

 巨大なガラスの温室と爬虫類の爪をかたちどった玄関の建物である

 玄関を入ると,「日本の渓流の生物たち」のコーナー。
アユやヤマメが泳ぐ水槽の横にオオサンショウウオの水槽がある。
日本最大の両生類が来訪者の御出迎え役。
片隅には,当館が環境に配慮された建物であることを啓蒙するため
太陽光発電量と太陽光採光量を示すデジタル掲示板が見える。


順路は,巨大なガラス温室へと進む。「熱帯にすむ生物たち」のゾーンである。

イリエワニの水槽

アジアアロワナの水槽

     動物だけでなく植物も手入れが行き届いている。
<タビビトノキ>
 バショウ科
  (バナナの仲間)
 昔、旅人は、この木の葉の付け根に溜まった水を飲んで渇きを潤したといわれている。
 また、扇状に並んだ葉が一定の方向を向くため旅人の道しるべになったともいわれている。


緑が途切れると,「サバンナの生物たち」のゾーンである。
   ミズオオトカゲやコモドオオトカゲ,ガラパゴスゾウガメたちが展示されている。


ガラパゴスゾウガメ

コモドオオトカゲ


つづいて「砂漠の生物たち」のゾーン。
  アメリカドクトカゲやガラガラヘビの仲間がいた。
  乾いた感じの飼育ゲージが砂漠をイメージしている。

アメリカドクトカゲ

トンネルをくぐるとまた緑豊かなゾーンに変わる。「森林の生物たち」のゾーンである。
ミドリニシキヘビやアカアシガメがいる。

アカアシガメ

ミドリニシキヘビ

キングコブラもいたが写真を撮ることができなかった。
自然を模した展示のため,隠れて見えないものが多い(HP用の写真を撮ろうとなるとことさら (泣) )
熱帯雨林を模すためだろう,
通路の脇の水溜りは,さっき
まで雨が降っていたようにみ
えるが樹脂製の偽物である。
(写真の矢印部分)


常設展示室を出ると,特別展示室がある。

私が訪ねたときは,「日本の両生爬虫類たち」展が行われていた。
身近に見られるものから,南西諸島の珍しい仲間まで多くの種類が展示されていた。特別展のため個々の展示ケースは小さいものであったが,それぞれの生息環境を模した展示が印象的であった。

<特別展で展示中の動物たち>

アオダイショウのケースには,農機具などが配され,昔の日本の”家の周り”,家の近くで蛇に出くわした思い出をよみがえらせてくれた。


2時間ほど時間をかけてゆっくり回ったが,飼育設備は環境をコントロールするためコンピュータを用いて自動制御になっていた。資料によれば,「屋外では気温,湿度,風向,風力などを測定し,室内では2箇所のセンサーで温度や湿度を測ります。それらのデータをもとに自動的に暖房機器が作動して温室を暖めたり,合計224個の窓が開閉して室内の環境を調整します。湿度を調整するために霧を吹き出す機械も備えてあり,]通常は室内温度23−27度,湿度60%を保つようになっています」とあります。まさに至れり尽せりです。

両生類・爬虫類を一堂に見渡せる施設ですが,それぞれ代表選手が登場といったところで,同じ仲間(近縁種)を何種類も見たい!というマニア諸兄には物足りないかもしれない。しかし,これも動物園が,単なる展示施設から,貴重な希少種の保護・繁殖にシフトしつつある今日では致しかたないのかもしれない(上野動物園には,同様の理由で,ライオンがいないのだ。多摩動物公園に移動してしまった。)



文中にリンクのあるところは,画像が見れます。

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